'03WEB公募書道展 作品 E11/F06 

E11 徳   畑中壺竹 ( 神戸市 53歳 女性 ) home 書は文化を作る

徳

横24cm×縦26.5cm


(1)修養によって得た、自らを高め、他を感化する能力。(2)精神的・ 道徳的にすぐれた品性・人格。 (3)天性。(4)めぐみ。神仏の慈悲。加護。(5)善政。(6)富。(7)富を得ること。利益。得。

北魏の「張猛龍碑」から一文字を選んで臨書しました。 もっと形も勢いもいいものですがあまり似ていません。時間がないし、 個性をなくすことも不可能なので、開き直って公開します。 石に書いたのを刻し、擦り減るほど拓をとっったものを写真にして印刷した本です。 肉筆の姿はとうていわかりません。それでも自分で考えて書くより これを真似した方がうまく書けるのだから、まだまだ修行しなくては。 満ちてあふれる日まで。あるいはクラシックの演奏家が同じ曲を奏でるように、 ずっと臨書を続けるのか、それでも楽しいとは思うけど、越してみたい!
(注.臨書=古典の模写 模写=先生や人の真似)
師匠に熨斗紙用の楷書を希望すると「そんなもんより、あんたにはこれがええ」 とおっしゃって、まず深い線の手本を書いてくださいました。 習うほど好きになりました。楽しい思い出がいっぱい。



F06  終南山   畑中壺竹


太乙の峰は…

横135cm×縦35cm

太乙の峰は天の都に近く 山並みは海辺にとどく
白雲は見渡すうちに閉ざし 青い靄はいつしか消える
護る星座は中峰で変わり 空模様は谷すじで異なる
泊めてもらえる家はないかと 水を隔てて木こりに問うた
   王維の詩終南山を訳して書く壺竹

  (原文) 終南山 王維
  太乙近天都 連山到海隅    白雲廻望合 青靄入看無
  分野中峰変 陰晴衆叡殊    欲投入処宿 隔水問樵夫 

王維の詩は好きです。 以前訳して行書で試作したものを楷書になおしてみました。
先に薄墨・羽箒で一刷毛書きました。中国の景色と山歩きの気分がでるといいなと。
日本語は世界一速読できる言語、だったらいっそのこと活字よりもさらに 読みやすいものを書いてみようと思ってこの作になりました。

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