春くれば 宿にまづ咲く梅の花 君が千歳のかざしとぞなる
者類久礼八 也止仁末徒左久 武女乃花 君可知止世能 可左志止楚奈類
はるくれば やどにまづさく むめのはな きみがちとせの かざしとぞなる
伝 藤原公任(ふじわらきんとう)の大色紙を参考に、江戸時代後期の
巻子残欠紙(かんすざんけつのかみ)にしたためました。
紀貫之の歌としては、正式には「かざしとぞ見る」なのですが、なぜか
大色紙では「かざしとぞなる」に改筆されています。「見る」の方だと
机上のリップサービスのように聞こえるのですが、「なる」だとまるで
春の庭を散策しつつ、冠に梅枝を挿して遊んでいるように感じます。
コメント
しっかりした仮名作品をありがとうございました。
紙と墨がよく調和して、古典の香りが漂ってきます。
歌の鑑賞も勉強になります。
投稿者: こちく | 2006年11月14日 01:55
今回も、さっそくに展示を頂きありがとうございます。
古典に忠実に書く、ということの難しさを思います。漢字作品とは
趣きも精神性も違う臨書の世界に挑戦中。本当に難しい!
他の方々の作品も楽しみです。「ネット文化祭」という感じですね。
投稿者: 戸川光迺 | 2006年11月17日 14:06