k608 下絵春秋歌
はるののに あさるきぎすのつまこいに おのがありかを ひとにしれつつ
あきはなほ ただならずこそ おもほゆれ おぎのうはかぜ はぎのしたつゆ
は(者)る(流)のの(ヽ)に あさるきぎ(ヽ)す(春)のつまこひ(悲)に(耳) おのが(可)あ(阿)りか(可)を ひとにしれつつ(ヽ) あき(支)はなほ た(多)だ(ヽ)な(奈)らず(春)こそ(曽) おもほ(保)ゆれ(礼) をぎ(支)のうはかぜ はぎ(支)のした(多)つゆ
本紙サイズ:2枚とも 10cm ×15cm
表具サイズ 横34cm 縦25cm 重量 900g
画仙紙はがきに薄墨で下絵を施した上に歌一首ずつ書きました。フォトフレームを使って明るいお部屋になるようにと紙を並べて見ました。
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コメント
『はるの…』は縦に流れる構成
『あきは…』は横に広がり 一つの額で二つの書風が味わえる感じで
思わず唸ってしまいました
文字はひき締まった直筆に依る針金の様に、しなやかで強い線。
骨格も正しく寸分の隙も見えません。
仮名にはズブの素人の私に取って大変に勉強になります。
投稿者: 牙城 | 2006年07月13日 15:08
牙城さん
上手に褒めてくださるいい先生。
紙質に助けられてる面もありますが、仮名の面白さをごらんいただけてよかったです。
ありがとうございます。
投稿者: こちく | 2006年07月13日 22:29
壷竹さんが何を出されるのかしらと思っておりましたら、大変趣きのある作品で、ほんとにうまいと感じさせる古典仮名ですね。下絵が実に素敵です。
投稿者: 原山五葉 | 2006年07月14日 18:01
五葉さん
コメントありがとうございます。読めるものを出したいとも思ったのですが勉強も続けたいのでこんな機会にかな作品をひとつつくるのもいいかなということで。絵も好きなのですが勉強は中断してて、こんな程度です。
投稿者: こちく | 2006年07月15日 10:22
私はこういう仮名作品、大好きです。
こちくさんの字には、なめらかさの中に張りというものを感じます。
何かこう、ぴしっ!と決まっていてかっこいい。
それと、フレームもすてきです(^^*。
働く女性の部屋に似合いそうな作品と思いました。
投稿者: Rika | 2006年07月16日 18:32
Rikaさん
ありがとうございます。
かっこよさって追求したい一面ですね。
自然で正直で真摯なものも一面ですが。
こうして一般には読めないような作品は絵画としての価値しかないかも。でも、こういうのも作る側からは面白いんですよね。一応言葉もふさわしいものを選びますし、色合いなんかも和風にしたり。
投稿者: こちく | 2006年07月18日 15:46
なんとも女らしい素敵な作品ですね。これが読めたり、書けたり出来るようになるのが将来の楽しみの1つです。こういった書からはそよぐ風を感じますね。
投稿者: むんきち | 2006年08月03日 01:14
壷竹様
美しい作品ですね。右の作品の散らし方が好きです。
投稿者: 宮島玉帆 | 2006年08月05日 09:04
むんきちさん
かなはもっともっと綺麗な表現があるのでだんだん上手になりたいと思っています。
玉帆さん
ありがとうございます。完成度の高い作品を作りたいと思います。
投稿者: こちく | 2006年08月07日 01:07
販売所を変更しました。
http://www.bidders.co.jp/user/3170046
でご覧ください。
釈文追加
春の野にあさるきぎすの妻こいにおのがありかを人に知れつつ(大伴家持)
雉も鳴かずば撃たれまいというのに恋の季節。
秋はなほただならずこそ思ほゆれ荻の上風萩の下露(義孝少将)
秋という季節をよくあらわしている歌。風で揺られ水があふれ、災害が当時も毎年のようにあったのでしょう。
投稿者: こちく | 2006年08月11日 09:43
どんな部屋にも飾れる素敵な額装ですね。こちくさんの仮名には艶を感じます。
投稿者: 秀涌 | 2006年09月01日 22:24
秀涌さん
お褒め頂きましてありがとうございます。うれしいです。
投稿者: こちく | 2006年09月04日 09:22